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消費税還付スキームに係る平成28年改正

平成28年消費税改正では、高額特定資産を取得等した場合には、納税義務の免除の制限及び簡易課税制度の選択の制限が設けられることにより、一定の調整対象固定資産について第三年度の課税期間で課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入に係る消費税額の調整(消法第33条)の規定の適用を強制するものでした。

なお、以下の内容は国税庁のホームページを参考に作成しています。また、事例につきましては理論上のものとして記載させていただいていることをご了承願います。

  1. 平成28年消費税改正

【改正の概要】

平成28年4月1日以後に、

  1. 事業者が、事業者免税点制度又は簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産(高額特定資産)又は他の者との契約に基づき、又はその事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として、自ら建設等をした高額特定資産(自己建設高額特定資産)の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用することができません。また、その高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までは、消費税簡易課税制度選択届出書を提出することができません。
  2. 事業者が高額特定資産である棚卸資産等又は他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産として自ら建設等をした棚卸資産で、その建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の100/110に相当する金額等の累計額が1,000万円以上となったもの(調整対象自己建設高額資産)について、消費税法第36条第1項又は第3項の規定(納税義務の免除を受けないこととなった場合等棚卸資産に係る消費税額の調整)の適用を受けた場合には、その適用を受けた課税期間の翌課税期間からその適用を受けた課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用することができません。また、その3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間は、消費税簡易課税制度選択届出書を提出することができません。

なお、仕入税額控除を行った高額特定資産等で一定の調整対象固定資産に該当するものについては、第三年度の課税期間で課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入に係る消費税額の調整(消法第33条)の規定の適用を受けることになります。

 

【改正の目的】

居住用マンションなどの建物本体の消費税額の還付を制限したものと推測します。

≪当該改正前の事例≫

平成22年改正の問題点調整対象固定資産の課税仕入を行い、かつ、その仕入の日の属する課税期間の消費税の確定申告を一般課税を選択する場合に、

  1. 免税事業者が課税事業者選択届出書を提出しなかった場合
  2. 課税事業者選択届出書を提出した強制適用期間以外の場合
  3. 資本金1千万円以上の法人を設立し基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間以外の場合

には、平成22年改正の影響を回避できる問題が生じてしまうことになりました。

前提条件:平成×1年12月10日に資本金500万円(内訳:現金400万円と現金以外の価値の減少が見込まれない一定のもの100万円)の法人を設立し、最初の課税期間の平成×1年12月10日から平成×1年12月31日までの間に現金以外の価値の減少が見込まれない一定のもの100万円の内85万円分を売却し約85万円の課税売上高(平成×3年の課税期間の納税義務の判定:85万円×12月÷1月)を計上しておきます。居住用マンション引渡し直前課税期間まで免税事業者で、5千万円の居住用マンションを建設し平成×3年3月20日に引渡しを受け、平成×3年4月1日より入居者との賃貸借契約を締結したと仮定します。なお、事業年度は1月1日から12月31日までとします。

  1. ​平成×2年12月31日までに課税期間特例選択(変更)届出書を提出し、平成×3年1月1日から課税期間を3カ月ごとの課税期間に変更します。​
  2. 引渡し課税期間(平成×3年1月1日から平成×3年3月31日)に現金以外の価値の減少が見込まれない一定のもの100万円の内残り15万円分を売却し課税売上高を計上します。
  3. 引渡し課税期間(平成×3年1月1日から平成×3年3月31日)の消費税申告を一般課税の一括比例配分方式を適用して申告します。
  4. 平成×3年1月1日から平成×3年3月31日までの課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出し、平成×3年4月1日からの課税期間については簡易課税制度を選択します。
  5. 平成×4年10月1日から平成×4年12月31日までの課税期間中に課税期間特例選択不適用届出書を提出し平成×5年1月1日からの課税期間を元に戻します。

​上記の手続は消費税法に抵触したしたものではありませんが、法の抜け穴をうまく利用したもので、かつ、平成22年消費税改正の盲点をついたものであり、立法者の立法趣旨に反したものになっていました。そのため平成28年消費税改正が行われ、高額特定資産を取得等した場合の納税義務の免除の制限及び簡易課税制度の選択の制限が設けられたものと推測します。

 

【改正のポイント】

高額特定資産を取得等した場合の免税事業者の制限及び簡易課税制度の制限を設けることで一定の調整対象固定資産については、第三年度の課税期間で課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入に係る消費税額の調整(消法第33条)の規定の適用を受けなければならないことであると推測します。

 

【当該改正の問題点】

高額特定資産等の課税仕入を行い、かつ、その仕入の日の属する課税期間の消費税の確定申告を一般課税を選択する場合に、その後の課税期間で金地金などを使用して一定の課税売上割合を保つことで、第三年度の課税期間で課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入に係る消費税額の調整(消法第33条)の規定の適用を回避できる問題が生じてしまうことになりました。

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新着情報・お知らせ

2023/10/1
令和5年10月1日に適格請求書発行事業者に登録されました。登録番号:T9810643716299
2022/12/19
令和4年12月16日に令和5年度税制改正大綱が取りまとめられました。インボイス制度については以前ニュースで取り上げられた軽減措置案などもまとめられています。インボイス制度の見直し点は、①適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置、②一定規模の事業者が行う1万円未満の課税仕入に係る仕入税額控除、③1万円未満の返還等に係る適格返還請求書の交付義務の免除、④その他適格請求書発行事業者登録制度についての見直しです。詳しくは令和4年12月16日の令和5年度税制改正大綱をご確認ください。
2022/10/10
副業収入300万円以下の取り扱いについて、国税庁は令和4年10月7日に修正案を示しました。従前に示したいわゆる300万円基準を大幅に修正し、一定の帳簿書類を保存していること、その他一定の要件に該当すれば事業所得にできる旨の内容に修正されています。詳しくは国税庁のホームページなどで内容をご確認ください。