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所属団体 | 近畿税理士会 左京支部 |
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登録番号 | 第121527号 |
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令和2年の消費税改正では、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するものに係る課税仕入等の税額について制限が設けられることになりました。
なお、以下の内容は国税庁のホームページを参考に作成しています。また、事例につきましては理論上のものとして記載させていただいていることをご了承願います。
【改正の概要】
事業者が、国内において行う居住用賃貸建物に係る課税仕入等の税額については、仕入税額控除の対象としないこととされました。なお、居住用賃貸建物とは、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。
なお、居住用賃貸建物に係る課税仕入等の税額については仕入税額控除の対象としないこととされたことにより、これまでの居住用マンション等に係る還付スキームのポイントである
について、そもそも考慮する必要をなくしたことです。
【消費税法基本通達11-7-1】
居住用賃貸建物は、住宅の貸付け(法別表第一第13号《住宅の貸付け》に掲げる住宅の貸付けをいう。以下この節において同じ。)の用に供しないことが明らかな建物(その附属設備を含む。以下この節において同じ。)以外の建物であることが要件となるが、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物」とは、建物の構造及び設備の状況その他の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが客観的に明らかなものをいい、例えば、次に掲げるようなものがこれに該当する。(令2課消2-9により追加)
【改正の目的】
居住用マンションなどの建物本体の消費税額の還付を制限したものと推測します。
≪当該改正前の事例≫
平成28年改正の問題点:高額特定資産等の課税仕入を行い、かつ、その仕入の日の属する課税期間の消費税の確定申告を一般課税を選択する場合に、その後の課税期間で金地金などを使用して一定の課税売上割合を保つことで、平成28年改正の影響を回避できる問題が生じてしまうことになりました。
前提条件:居住用マンションなどに係る消費税還付スキームは、平成28年改正前の事例により、引渡課税期間で消費税の還付が完了しているものと仮定します。
上記の手続は消費税法に抵触したしたものではありませんが、法の抜け穴をうまく利用したものであり、かつ、平成28年消費税改正の盲点をついたものであり、立法者の立法趣旨に反したものになっていました。そのため令和2年消費税改正が行われ、居住用賃貸建物に係る課税仕入等の税額については仕入税額控除の対象外とされました。
【改正のポイント】
居住用賃貸建物に係る課税仕入等の税額については仕入税額控除の対象外にすることにより、居住用マンションなどの還付スキームに係るポイントである課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入に係る消費税額の調整(消法第33条)及び簡易課税制度(消法第37条)の規定について、そもそも考慮不要にしたことであると推測されます。当該改正により合法ではありますが立法趣旨に反した一連の消費税還付スキームは完全に封じられたものと推測します。